Monday 7 September 2009

7.ドライマウンテンの中で思ったこと

 午前7時。ここラマユルから山越えをしてワンラに向かう。途中標高3700メートルのプリンキチ峠を越えるが比較的イージーなトレイルコースだ。

 歩き始めて30分後に、リンゴをうまそうにほうばっている手ぶらのフランス人トレッカーに追い越される。こっちはでかい荷物を背負っているのでフランス人に道をゆずる。名も知らない小さな村を左手にさらに登り続ける。

 1時間ほど歩くと下からポニーに荷物を運ばせている村人たちが僕を追い越す。「ジュレー」と声を掛け合う。

 2時間ほど登ると壮大で幽玄なドライマウンテンが目の前に広がった。火星に空気があるとこんな風景が広がるんだろうなと漠然と思った。とにかく暑かった。水を一口飲みその風景の中寝転がった。空は青く高かった。太陽は容赦なく照りつける。ラダックの山々は360度果てしなく広がる。遠い頭上にピロロロと鳴いている鷹が太陽を遮る。風が吹き上がってくる。すこし冷たい。もうすぐここにも深くて長い冬が訪れる。寝転がりながら顔を横にむけると、なにもない乾いた山に一輪の紫色の花が咲いている。一人でない事に安心して眼をつむる。いつの間にか僕は眠ってしまっていた事に気づき、立ち上がって先に歩を進めた。

 昼近くプリンキチ峠にさしかかった。タルチョがはためいている。標高3700メートル。まるで世界に自分しかいない錯覚にとらわれた。後は下るだけだ。

To Wanla way


 途中左手に名も知らぬ小さな村が見えてくる。

People in mountain


 ポニーに荷物を背負わせた村人たちに「ジュレー」の挨拶。

Dry mountain


 360度ドライマウンテンが広がる。息をのむ火星的風景だ。

Pray rock


 頂上ではタルチョがはためいている。標高3700メートル。

Pray rock

 
 僕も願いを込めて石積みをする。太陽の神にでも祈ろうか。

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