Monday 28 September 2009

28.ラジーの憂鬱

 朝、目を覚ます。ジミーは朝の仕事に出かけていた。ジミーはジェット・エアウェイの従業員でもある。基本は自由人だが、いろんな仕事を持っているし、いろんな仕事をする能力がある。特殊技能の免許の数は20を下らない。で、今日は空港に行っている。ジミーの奥さんのクルスンは、子供を学校まで送りに行っている。

 今朝はクルスンの妹のラジーがいる。ラジーに朝食を作ってもらった。ラダッキパンのタギ・カンビルをちょっと焼いてもらい、アプリコットジャムとバターを塗って食べる。ミルク・ティーを一口飲む。ラジーと目が合ったので笑い返した。するとラジーが近寄ってきた。ラジーが僕の目を覗き込む。ラジーと僕の顔は10センチと離れていない。やばいと思い、少し後ずさりをする。ラジーの両手が僕の首に絡み付く。手にしたミルク・ティーがゆっくりこぼれ落ちた。その時、後ろのドアが開き、子供を送りに行っていたクルスンが入ってきた。クルスンは僕らを見ると笑いながら「オゥ。オゥ。」と言ってはやし立てた。僕は腰砕け状態で壁にもたれかかり、笑いながらクルスンに「ジュレー」と言った。

 明日で僕はレーを離れる。今日は実を言うとラダック滞在最後の日なのだ。

 今からレーの裏山のトライアングルマウンテンを越えて向こうにあるサブー村までショートトレイルをする。トライアングルマウンテンはかなりの斜度だった。360度ドライマウンテンに囲まれている。視界に入る風景の中に自分一人しかいないと思うとなんか不思議な感じがする。これももう慣れた景色だった。なかなかサブー村にたどり着かない。しばらくして迷った事に気づく。徐々に焦って来た。山中をさまよって2時間ほどが過ぎた。なぜかラジーの顔が頭に浮かんだ。その時、チョルテンの向こう側、乾いた大地の中に、緑あふれるサブー村が見えてきた。助かったと思った。

triangle mountain


 トライアングル・マウンテンは結構斜度がきつい。

triangle mountain


 石のペイントとトライアングル・マウンテン。

triangle mountain


 サブー村になかなかたどり着けない。やっぱり迷った。

triangle mountain


 渓谷をひたすら下りだす。今度こそ、たぶん何かあるはず。

Saboo village


 チョルテンの向こうにサブー村が見えてきた。助かった。

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