16.ビッグ・バイクとストク・パレス。

　朝７時。うつらうつらしている僕の意識の中に、「ドッドッドッドッ」なんかロボットの鼓動にも似た音が飛び込んでくる。眠い眼をこすり、窓を開けて下を見ると、ジミーがビッグバイクにまたがって僕を見上げている。ロイヤル・エンフィールドだ。　５００ccの単気筒のローカルなトルクの響きがここちいい。

「ヘイ・ジョン。いつまで寝てるんだ。旅に出るぞ。カモン！」僕は着るものも適当に、急いで下に降りて行きジミーのバイクのバックシートに飛び乗った。「アーユーレディ？」「オールレディ。オーケー」「オーケー。ゴーアヘッド！」バイクが走り出す。ドルルルル。重低音の心臓を響かせて。

　マナリ・ハイウェイを疾走する。３６０度広がる広大なラダックレンジの中を走る。

　最高な気分だ。チョクラムサル村の中を通る。静かな美しい村だ。次にチュチョット村に入って行く。見た感じここはムスリムの人たちが多そうだ。スカーフで顔を隠している女性をたくさんみかける。ここも美しい村だ。しばらく走って、ストク村に入る。ブッディストが多い静かな村だ。目の前の崖の上ににストク・パレスが見えてくる。ストク・パレスが村を見守るように見下ろしていた。なんて美しいんだ。僕はため息をついた。

　チュチョット村が見えてくる。美しい村だ。

　ストク村の入り口大きくカーブを描いて入って行く。

　しばらく進むと、ストクパレスが見えてくる。美しさに息をのむ。

　ストク村の道。静かで風がここちいい。

　ストクパレスから見える、ストク村の展望。