Thursday 25 February 2010

25.パーミットの取得

 僕たちはカルギルに戻ると、ディストリクト・オフィスの前に車を止めた。僕が車を降りようとした時、ジミーが言った。
「ここは俺一人で行かせてくれ。」
 僕は静かにうなずいた。
 車の中でジミーを待つ。道行く人々。クラクション。スカーフを頭に巻いた女性。学校が終わって、家に戻る子供たちの集団。店の前でティーを飲んでいる店主。そして青い空。車の窓から僕はぼんやりと眺めている。なんかいいなぁと思う。そうしているうちにジミーが戻ってきた。頭をうなだれている。ジミーがゆっくり口を開いた。
「ダメだった。」
 僕は半分覚悟を決めていたので、
「そうか、ここまでやったんだから、もういいさ。ジミーありがと。」
 そう言うとジミーが突然、僕にヘッドロックをかけてきた。その行動に混乱したのも束の間、僕の鼻先に一枚の紙がひらり。僕はそれを鼻先から引きはがして読み上げる。
『以下のツーリストは二日間(二泊三日)シャカール・チクタンエリアに入境することを許可する』
 文字が輝いていた。僕はそれを見てジミーと抱き合って喜んだ。カルギルのマーケットの中、僕たちはこぶしを振り上げて雄叫びをあげていた。道行く人々がみんな歩を止めて僕らを見ている。中には拍手をしてくれた人もいた。そして僕が神に感謝した事は言うまでもない。

ILP for chiktan

シャカール・チクタンエリアの幻のパーミット。

 カルギルのポリス・ステーションとインド軍アーミー基地にパーミットのコピーを提出してから、僕らはあわただしく出発した。チクタン村に向かうのだ。僕らは鼻歌を歌いながら車を走らせる。行き交う車と人々全てに”アサラーマレーコン”と挨拶を投げかけながら、ご機嫌な気分で走らせる。一時間ほど走るとパスキュン村が見えてきた。

Paskyum village

パスキュン村。

 僕らはパスキュン村のマスジドでトイレ休憩をした。

Paskyum masjid

青空の下。
パスキュン・マスジドが威風堂々と建っている。


 僕らはパスキュン村を後にして先を急ぐ。しばらく進むとロッツェン村が見えてくる。

Lotsun village

ロッツェン村。

Lotsun village

ロッツェン村。
古く大きな家。


Lotsun village woman

ロッツェン村。
井戸端会議中の女性。


Lotsun village old man

ロッツェン村。
老人。


 僕らはロッツェン村を後にして先を急いだ。

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