僕らは分岐にさしかかる。それをまっすぐ行くとダー村の方へ、左に曲がり鉄橋を渡って、しばらく行くとチクタン村にたどり着く。僕らは迷わず鉄橋を渡った。鉄橋を渡るとすぐサンジャク村に入るのだが、その手前にインド軍の鉄壁のクローズドバーが設置してあるチェックポストがある。僕らはクローズドバーの手前に車を止めてチェックポストの詰め所に入って行く。
端的に言うと、ここから向こうは外国人観光客立入り禁止の世界なのだ。
僕とジミーは机に座って軍人と対峙する。僕ら二人は心なしか少し緊張していた。ここを通るべく僕らの立場と目的を説明し始めた。僕が日本人である事。僕とジミーは友達である事。ジミーの妻の実家がチクタン村にある事など。僕らはしどろもどろになりながら、話の方向性もあっちに行ったり、こっちに来たりして定まらず、実に要領を経ない話をたどたどしく話した。軍人は腕を組んでだまって聞いていたが、しばらくすると立ち上がり、どこかに確認の連絡を入れ始めた。軍人はまた僕らの前に座り、腕を組んで僕らの話の続きを聞く。軍人は僕らの話を突然止めた。
「オーケー、ストップだ。君たちが言いたいのは、日本人の君とジミー君は友達で、ジミー君の奥さんの実家であるチクタン村に、観光客としてではなく、友達として招待したいと、そういう事だな。」
僕とジミーは顔を見合わせると、声をそろえて
「その通りです。」
と言った。
軍人は椅子から立ち上がり僕に握手を求めた。僕がその手を握りかえすと、軍人は満面の笑みをたたえて
「ようこそシャカール・チクタンエリアへ。私たちは君を歓迎する。ただし一日だけの滞在許可とする。日が沈むまでにここに戻ってくるように。」
僕は大きくうなずいて、パスポートを軍人に預けた。パスポートはまたここに戻って来た時に受け取る事となった。
僕らはチェックポストを抜けてサンジャク村に入って行った。緊張がとれて楽になった僕らは空腹だった。食堂を探す事にした。
サンジャク村の食堂。
この時僕らはただただお腹がすいていた。
なんでもいいから腹に入れたいと思った。
ここには何があるのだろう。
いろんな食べ物を想像する。
ここはひとけがないサンジャク村の食堂。
食堂に入るとジミーは
「誰かいませんかー?」僕もその後に続いて「誰かいませんかー?」
ジミーは厨房に歩いて行く。
誰もいない静かな食堂。
店員はどこに行ったのか。
きっと散歩でもしているのだろう。
自由気ままな店員に自由気ままな僕たち。
「勝手に入りますよー?」僕もその後に続いて「勝手に入りますよー?」
「勝手に作りますよー?」僕もその後に続いて「勝手に作りますよー?」
僕らは食堂の厨房に入り勝手に料理を作り始めたのだった。
まずはブラックティー。
お湯を沸騰させる。
お茶っ葉をいれる。
いい匂いがしてきたよ。
ブラックティーの完成だ。
僕とジミーは乾いたのどをそれで潤した。
まだ腹は減っている。
次は料理だ。
僕らが料理を作っていると食堂の窓に村人たちが集まって来た。
「外人が料理作ってるよ。」
「どんな料理ができるか見物だな。」
「そうだな。」
なんて言ってるのだろうか。店の外には人だかりができて、僕の料理の仕方をおしあいへしあいし、眺めている。
ヌードル サンジャクスペシャル。
まずお湯を沸騰させ、
その間にそこらへんに転がっていた野菜を切って
下ごしらえ。
お湯が沸騰したら麺をぶち込む。
そして野菜を入れて、
調味料はそこらへんにあるのを
一つ一つ手で味見をして、
使えそうなものをぶち込む。
ヌードル サンジャクスペシャルの完成。
一口食べる。
不思議で珍妙な味だが悪くない。
となりのジミーを見る。
顔をしかめて胃袋にかっこんでいる。
ヌードル・サンジャクスペシャルを食べ終わると、料理を見学していた村人の中から店員が出て来たので、僕らはお金を払おうとした。店員は「いらない、いらない」なんて言うから、僕らは顔を見合わせてつい嬉しくなり、店員の手のひらを強引にひらかせ、お金をつかませ強引に閉じさせた。店員は申し訳なさそうに笑っていた。
カシミリアンスタイルの青年。
ここはムスリム圏。
これからなにが始まるのか。
これからなにが起こるのか。
興味がつきない。
僕らはサンジャク村を後にした。
端的に言うと、ここから向こうは外国人観光客立入り禁止の世界なのだ。
僕とジミーは机に座って軍人と対峙する。僕ら二人は心なしか少し緊張していた。ここを通るべく僕らの立場と目的を説明し始めた。僕が日本人である事。僕とジミーは友達である事。ジミーの妻の実家がチクタン村にある事など。僕らはしどろもどろになりながら、話の方向性もあっちに行ったり、こっちに来たりして定まらず、実に要領を経ない話をたどたどしく話した。軍人は腕を組んでだまって聞いていたが、しばらくすると立ち上がり、どこかに確認の連絡を入れ始めた。軍人はまた僕らの前に座り、腕を組んで僕らの話の続きを聞く。軍人は僕らの話を突然止めた。
「オーケー、ストップだ。君たちが言いたいのは、日本人の君とジミー君は友達で、ジミー君の奥さんの実家であるチクタン村に、観光客としてではなく、友達として招待したいと、そういう事だな。」
僕とジミーは顔を見合わせると、声をそろえて
「その通りです。」
と言った。
軍人は椅子から立ち上がり僕に握手を求めた。僕がその手を握りかえすと、軍人は満面の笑みをたたえて
「ようこそシャカール・チクタンエリアへ。私たちは君を歓迎する。ただし一日だけの滞在許可とする。日が沈むまでにここに戻ってくるように。」
僕は大きくうなずいて、パスポートを軍人に預けた。パスポートはまたここに戻って来た時に受け取る事となった。
僕らはチェックポストを抜けてサンジャク村に入って行った。緊張がとれて楽になった僕らは空腹だった。食堂を探す事にした。
サンジャク村の食堂。
この時僕らはただただお腹がすいていた。
なんでもいいから腹に入れたいと思った。
ここには何があるのだろう。
いろんな食べ物を想像する。
ここはひとけがないサンジャク村の食堂。
食堂に入るとジミーは
「誰かいませんかー?」僕もその後に続いて「誰かいませんかー?」
ジミーは厨房に歩いて行く。
誰もいない静かな食堂。
店員はどこに行ったのか。
きっと散歩でもしているのだろう。
自由気ままな店員に自由気ままな僕たち。
「勝手に入りますよー?」僕もその後に続いて「勝手に入りますよー?」
「勝手に作りますよー?」僕もその後に続いて「勝手に作りますよー?」
僕らは食堂の厨房に入り勝手に料理を作り始めたのだった。
まずはブラックティー。
お湯を沸騰させる。
お茶っ葉をいれる。
いい匂いがしてきたよ。
ブラックティーの完成だ。
僕とジミーは乾いたのどをそれで潤した。
まだ腹は減っている。
次は料理だ。
僕らが料理を作っていると食堂の窓に村人たちが集まって来た。
「外人が料理作ってるよ。」
「どんな料理ができるか見物だな。」
「そうだな。」
なんて言ってるのだろうか。店の外には人だかりができて、僕の料理の仕方をおしあいへしあいし、眺めている。
ヌードル サンジャクスペシャル。
まずお湯を沸騰させ、
その間にそこらへんに転がっていた野菜を切って
下ごしらえ。
お湯が沸騰したら麺をぶち込む。
そして野菜を入れて、
調味料はそこらへんにあるのを
一つ一つ手で味見をして、
使えそうなものをぶち込む。
ヌードル サンジャクスペシャルの完成。
一口食べる。
不思議で珍妙な味だが悪くない。
となりのジミーを見る。
顔をしかめて胃袋にかっこんでいる。
ヌードル・サンジャクスペシャルを食べ終わると、料理を見学していた村人の中から店員が出て来たので、僕らはお金を払おうとした。店員は「いらない、いらない」なんて言うから、僕らは顔を見合わせてつい嬉しくなり、店員の手のひらを強引にひらかせ、お金をつかませ強引に閉じさせた。店員は申し訳なさそうに笑っていた。
カシミリアンスタイルの青年。
ここはムスリム圏。
これからなにが始まるのか。
これからなにが起こるのか。
興味がつきない。
僕らはサンジャク村を後にした。
0 comments:
Post a Comment