Thursday 18 February 2010

18.ダーの向こうの世界

「チクタンエリアのパーミットを取りにいくぞ。ダー村を通って、バタリク村を抜けてカルギルに行く。」
 とジミーが言う。
「あのエリアって通れたっけ?」
「行ってみなければわからないさ。ダメだったら戻ってこればいいじゃん。」
 と簡単にジミーは言い放ったが、僕は心配だった。とにかくこうして、チクタンエリアのパーミットを入手すべく、僕らの小さな旅が始まった、僕らはベマの手前のチェックポストをダーハヌーエリアのパーミットを見せて通過し、インダス川沿いに車を進めた。

Bema village

ベマのおばあさん。
色鮮やかなの装飾品や、彫りの深い顔は、
ダー、ベマ、ハヌーのダルド系の人々の特徴だ。


 僕らはそのまま車を進め、ダー村を通過してすぐにクローズドバーが降りているインド軍のチェックポストがあった。
「今から僕たちは、カルギルにチクタンエリアのパーミットを取りにいくんだ。」
 軍人にそう言うと、うなずいてクローズドバーが上がった。ダーのチェックポストは、すんなり通れて拍子抜けしてしまった。
 美しいインダス川沿いの道をひたすら進む。川に向こう側に美しい村が見えて来た。

Bardas village

バルダス村。
インダス川の対岸の美しい緑の中に、
村と畑が広がる。


 しばらく車を走らせる。途中で道を一人で歩いて男に呼び止められて、次の村まで送ってほしいと言われたので、乗せてあげることにした。車を走らせる。男のガルコン村が目の前に見えてきた。その男が村の中を案内してくれると言うので、僕とジミーは男の後についていく。ドライマウンテンの斜面を登っていく。少し進むとマネトンチュルがある場所に出た。そこで僕らは男と分かれた。

Garcon village

ガルコン村。
マネトンチュル。(マニ車)
仏教徒の村だが、ダルド系のアーリアン文化も
ミックスしていて、独自の文化圏を作っている。


 しばらく進むとフランス人の観光客がいた。僕は”あれっ?”と思い、一瞬違和感を感じた。”ここって外国人観光客が入れない地区じゃなかったっけ?”なんて考えながら、でもそれは自分にも当てはまってたので、その事について考えるのをやめた。そのフランス人と話していると、村の老人が家の中を見せてくれると言うので、僕たちは老人の後についていく。

Garcon village

老人の家の中。
窓からの光が差し込んでいる。
午後の静かな時間。


Garcon village

ガルコン村の子供。

 僕らは老人の家を出てしばらく歩くと一心不乱に本を読んでる一人の老人に会った。その老人は古い仏教教典をひも解いて、小さな辞書で調べながら読み進めていく。僕たちはその様子を眺める。

Garcon village

経典を読む老人。

 僕らはガルコン村を後にして、インダス川をしばらく進むとまたインド軍のチェックポストがあった。僕らはカルギルにパーミットを取りにいくむねを伝えると、またクローズドバーを開けてくれた。もちろん僕らは拍子抜けしていた。
 しばらく進むと対岸にダルツェク村が見えて来た。

Dartsek village

ダルツェク村。
インダス川の近くに広がる村は緑が美しい。
標高が低いこともあって、色彩が豊かなのだ。


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