Friday 12 February 2010

12.チクタン村到着

 僕らの車はサンジェルンマ沿いをチクタン村に向けて走っている。サンジェルンマとはチクタンエリアを貫いている清流の名だ。途中の村々はメイニャスの桃色の花を懐に蓄えており大変美しかった。サンジャク村よりダートな道を一時間近く走っただろうか、またチェックポストが見えて来た。このチェックポストはチクタン村の手前にあるもので、管轄はポリスだった。簡単な手続きをしてチェックポストを抜けると、サンジェルンマに橋が架かっており、それを渡るとチクタン村だ。正式名称チクタン村ズガン地区。村のメインエリアだ。一日の滞在しか許されなかったので慌ただしく僕らは村へ入っていく。チクタン村のメインストリートは大変おもしろく、村の真ん中を流れている清流がメインストリートになっているのだ。

Chiktan village

チクタン村のメインストリート。
チクタン村は何十年も外国人の立入りが禁じられていた村だ。
サンジェルンマに寄り添って、静かに時が流れている村。
他の村々と雰囲気が違う。
なんだろう?僕は考える。
ムスリム文化と大自然が完璧に調和している村。
完璧ってなんだろう?
宗教が道徳にまで昇華されている村。
とにかく信じられないほど素敵な村なのだ。


 車を村の入り口に止めると僕らはメインストリートである川を登って行く。
「ラジーに僕らが来る事は伝えてあるんだよね?」
「伝えてないよ。だってラジーの家は電話がないんだもん。」
「・・・。」
 僕らは川を途中で外れて右に曲っていく。
「あれがラジーの家」
ジミーが指差す方を見ると、飼っている牛と目が合う。その後ろに干しレンガ作りの古い古い家があった。

Chiktan village

ラジーの家。
一階は家畜の部屋になっており、二階が住居スペースだ。
はしごを登って二階に行く作りになっている。
住居スペースのリビングはキッチンと兼用。


 僕らは路地から顔を覗かせてラジーの家を眺めていると、ラジーが二階からひょっこり顔を出した。ラジーは僕らを見るとパチパチと瞬きをして言葉にならない声を発し、はしごを駆け下りてきた。そしてぼくらはリビングに通された。

Chiktan village

チャパティとぐるぐる茶。
ぐるぐる茶は通称バター茶又は塩茶。
チャパティは通称タギカンビル。
バターは羊ではなく山羊の乳で作る。
今まで飲んだぐるぐる茶の中で一番濃厚だった。


 僕はラジーとラジーの友達に村の中を案内してもらう。村の中は迷路のようだった。

Chiktan village

ラジーとラジーの友達。
この二人は本当に仲がいい。
まるで姉妹みたい。
チクタン村全体が兄弟姉妹のようなもの。


 村の裏に広がる高台に登る。すこし歩くとラカンウォールがある。

Chiktan village

ラカンウォール。
ズガン地区を見下ろすように建っている。
いつ崩れたのだろうか?
何の跡なのだろうか?
古い時代の戦のなごりだろうか?
教えてほしい。そうだ風に聞こう。


 またズガン地区に戻ってくる。一つの家がある。ドアのマークが象徴的だった。

Chiktan village

星と月のマークはイスラムの象徴。
三日月は発展。
星は知識。
このマークを見るとムスリムの村なんだと感じる。


 写真を撮っているとあっという間に子供たちに囲まれた。

Chiktan village

それはあっという間だった。
子供たちに囲まれる。
レンズの向こうだけではなく、
僕の後ろにもたくさんの子供がいる。
子供たちはレンズを覗く。
子供たちはモニターを覗く。
この村も子供が非常に多い村。
君たちはチクタン村の未来なのだ。


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