サダは長距離バスの仕事が入ったらしく、くしゃくしゃの笑顔でまた会おうと言うと、行ってしまった。僕とジミーは本日宿泊するホテルを探しまわる。メインマーケットそばスルリバー近くのクラウンホテルに泊まる事にした。ホテルの部屋は広くて窓も大きく、奇麗だったので僕たちは満足した。なんといっても一番満足したのは、広いウォッシュルームが付いていた事だ。僕たちは明日の朝、体を洗う事にした。
「明日の朝、ボーイがバケツにお湯をいれて持って来てくれるってさ。」
ジミーがベッドに向かって大きくジャンプをして、枕に顔をうずめて言った。安ホテルなのでもちろんお湯のシャワーなんてものは付いていない。僕は納得して、
「お湯のおかわりってできるの?」
と聞く。
「もちろん」
とジミーは答え、寝息が聞こえたかと思うと、うつぶせのまま眠ってしまった。
クラウン・ホテル。
カルギルのメインバザールから奥まったところにあり、
従業員も親切で、気に入った。
ベッドルーム。
ベッドは清潔。
木窓の向こうはウォッシュルーム。
僕はある事を思い出した。
チクタン村を出発する時、キッチンでラジーが僕とジミーのために料理を作って、それをタッパウェアに入れ、持たせてくれた。僕はバックパックの中を注意深く探ってそれを出した。四角く透明なタッパウェアだ。ふたを開けみる。バトゥライスが入っていた。匂いをかいでみる。”大丈夫。痛んでない”僕はホテルのキッチンをかりて、念のため料理に火を通す事にした。フライパンに油を引いて、料理を炒め始めた。マサラと一緒に炒めたので、カレーチャーハンのようになってしまった。ジミーが眠たそうな目をこすりながら、キッチンに入って来た。僕はできたての料理を皿に小分けしてジミーに出す。キッチンに置いてあった玉ねぎをみじん切りにして、それも塩を付けて生で食べる。
ホテルのキッチン。
料理を食べ終わるとジミーが
「おもしろい部屋があるから、そっちの部屋に行こうぜ」
と僕を誘った。
祈りの部屋。
ホテルの一番奥の部屋に入っていった。その部屋の中には宿泊客、従業員がおのおのお祈りをしていた。僕はその様子を部屋の後ろで眺めている。みんな何かを唱えながら立ったり座ったり、手を耳の後ろに当てたり顔を覆ったり、僕はその一連の動きを注意深く見ていた。みんなお祈りが終わると、それからは語り合う時間が始まった。僕はみんなに自己紹介をする。”日本から来ました”と、みんなは歓迎してくれた。そうしているうちに、ぐるぐる茶、クッキー、ケーキ、ドライフルーツが出て来た。
僕は聞く。
「イスラム教徒にはどうやってなるのですか?」
素朴な質問をする。宿泊客の一人が答える。
「まず両親の片方がイスラム教徒ならその子供もイスラム教徒。」
ジミーが口を挟む。
「それとイスラム教への改宗は、割礼をしなければならない。教徒の前で、お尻の穴から鼻の穴まで、聖水できれいに洗う。」
「マジで?」
僕は思わず声を上げる。するとまわりから笑い声が沸き上がった。宿泊客の一人が言う。
「今、彼が言ったのは冗談さ。本当は”ラー・イラーハ・イラーッラー”と言えばいいのさ。意味はアラーの他に神はなし。」
「それだけ?」
「あともう一つ。”ムハンマダン・アブドフ・ワ・ラスールフ”を唱える。意味はムハンマドはアッラーの使徒である。」
僕はあまりにも簡単なので、正直驚いた。他にもいろんな話を聞いた。アブラハムやモーゼ、イエスも予言者であり、ムハンマドは最後の予言者で彼の啓示で宗教が完成した事など、簡単な概略の説明を受けた。彼らがわかりやすく噛み砕いて話してくれたので、話は面白く興味深いものばかりになった。
宴も今宵の月が雲に隠れ始めた頃に終わり、僕とジミーは部屋に戻って、モードを爆睡に切り替えて眠りに落ちた。
「明日の朝、ボーイがバケツにお湯をいれて持って来てくれるってさ。」
ジミーがベッドに向かって大きくジャンプをして、枕に顔をうずめて言った。安ホテルなのでもちろんお湯のシャワーなんてものは付いていない。僕は納得して、
「お湯のおかわりってできるの?」
と聞く。
「もちろん」
とジミーは答え、寝息が聞こえたかと思うと、うつぶせのまま眠ってしまった。
クラウン・ホテル。
カルギルのメインバザールから奥まったところにあり、
従業員も親切で、気に入った。
ベッドルーム。
ベッドは清潔。
木窓の向こうはウォッシュルーム。
僕はある事を思い出した。
チクタン村を出発する時、キッチンでラジーが僕とジミーのために料理を作って、それをタッパウェアに入れ、持たせてくれた。僕はバックパックの中を注意深く探ってそれを出した。四角く透明なタッパウェアだ。ふたを開けみる。バトゥライスが入っていた。匂いをかいでみる。”大丈夫。痛んでない”僕はホテルのキッチンをかりて、念のため料理に火を通す事にした。フライパンに油を引いて、料理を炒め始めた。マサラと一緒に炒めたので、カレーチャーハンのようになってしまった。ジミーが眠たそうな目をこすりながら、キッチンに入って来た。僕はできたての料理を皿に小分けしてジミーに出す。キッチンに置いてあった玉ねぎをみじん切りにして、それも塩を付けて生で食べる。
ホテルのキッチン。
料理を食べ終わるとジミーが
「おもしろい部屋があるから、そっちの部屋に行こうぜ」
と僕を誘った。
祈りの部屋。
ホテルの一番奥の部屋に入っていった。その部屋の中には宿泊客、従業員がおのおのお祈りをしていた。僕はその様子を部屋の後ろで眺めている。みんな何かを唱えながら立ったり座ったり、手を耳の後ろに当てたり顔を覆ったり、僕はその一連の動きを注意深く見ていた。みんなお祈りが終わると、それからは語り合う時間が始まった。僕はみんなに自己紹介をする。”日本から来ました”と、みんなは歓迎してくれた。そうしているうちに、ぐるぐる茶、クッキー、ケーキ、ドライフルーツが出て来た。
僕は聞く。
「イスラム教徒にはどうやってなるのですか?」
素朴な質問をする。宿泊客の一人が答える。
「まず両親の片方がイスラム教徒ならその子供もイスラム教徒。」
ジミーが口を挟む。
「それとイスラム教への改宗は、割礼をしなければならない。教徒の前で、お尻の穴から鼻の穴まで、聖水できれいに洗う。」
「マジで?」
僕は思わず声を上げる。するとまわりから笑い声が沸き上がった。宿泊客の一人が言う。
「今、彼が言ったのは冗談さ。本当は”ラー・イラーハ・イラーッラー”と言えばいいのさ。意味はアラーの他に神はなし。」
「それだけ?」
「あともう一つ。”ムハンマダン・アブドフ・ワ・ラスールフ”を唱える。意味はムハンマドはアッラーの使徒である。」
僕はあまりにも簡単なので、正直驚いた。他にもいろんな話を聞いた。アブラハムやモーゼ、イエスも予言者であり、ムハンマドは最後の予言者で彼の啓示で宗教が完成した事など、簡単な概略の説明を受けた。彼らがわかりやすく噛み砕いて話してくれたので、話は面白く興味深いものばかりになった。
宴も今宵の月が雲に隠れ始めた頃に終わり、僕とジミーは部屋に戻って、モードを爆睡に切り替えて眠りに落ちた。
0 comments:
Post a Comment