Sunday 7 March 2010

32.ヨグマカルブー村

 僕とジミーは車に乗り込み、より深い場所にある村を目指す。山の尾根伝いに細い道が伸びている。道から落下すると大変な事になるので、慎重に車を進める。ここからの眺めは本当にすばらしい。360度高い山々に囲まれていて、なんでこんなところに車が通れる道があるのだろうと、不思議な気持ちになる。

YougmaKharboo village

隣の村まで伸びている道。
美しくもあり恐怖も感じる。
世界は広いな。




 長い山道をゆっくり進む。次の村にはセカンダリー・スクールがないので、村の生徒たちはこの道を通ってシャカール村の学校まで通っているのだ。次の村からシャカール村までの距離は6キロメートル、毎日往復12キロメートルの山道を歩いているのだ。これには本当に驚いた。

YougmaKharboo village

通学風景。
厳しい山道、
毎日往復12キロメートルの距離を
生徒たちは歩いているのだ。


 かなりの時間の山道を縫うように走りようやく次の村が見えてくる。その村の名前はヨグマカルブー村。渓谷が開けていき緑が美しい畑と干しレンガ作りの集落が見えてくる。山深い奥の奥の村。こんな奥にもこんなにも美しい村があるのかと、感慨深かった。

YougmaKharboo village

ヨグマカルブー村。
奥深い山の谷間の村。
美しすぎる村なのだ。


 細い道は徐々にヨグマカルブー村に向けて下りだす。僕とジミーは村の入り口付近に車を止めて歩き出した。畑のあぜ道を歩くと目の前に、古い建物が見えていた。

YougmaKharboo village

ヨグマカルブー・パレス。
古くて大きいパレス。
作られた年代は不明。
今は誰も住んでいない。


 ジミーはこの村でチクタン村出身の知り合いに会ったので、パレスの前で立ち話を始める。僕はジミーを置いてヨグマカルブー・マスジドに向かう。途中で子供たちに囲まれて僕の後をついてくる。しばらく歩くと前方にヨグマカルブー・マスジドが見えてきた。

YougmaKharboo village

ヨグマカルブー・マスジド。
人がたくさんマスジドに集まっている。
中では宗教指導者の講話が行われていた。


 マスジドの中は人でいっぱいだ。この村の宗教指導者の講話が行われているようだった。マスジドの外にいる村人たちが僕の事を不思議そうに凝視している。この村に観光客が来るのは初めての出来事なのだろう。僕はとっさにマスジドの前でシーア派教義にのっとったお祈りを始める。”アラーフ・アクバル”と唱えながら、両手を耳の後ろに持っていき、お辞儀をする。そしてもう一度耳の後ろに両手を持っていき、今度は両ひざでひざまづいてお辞儀をする。という動作を繰り返した。周りの村人から笑顔が溢れた。ぼくはあっと言う間に村人に囲まれ、いろんな質問をされた。日本人である事。日本には少ないがイスラム教のマスジドがある事などいろいろ答えた。僕はみんなの写真を撮る事にした。

YougmaKharboo village

ヨグマカルブー村の人々。
写真にあまりなれていないのだろうか、表情が少し固い。
女性たちはフレームの外にたくさん居るのだが、
女性の写真はとれないのだ。
住所を教えてもらったので、写真を送る事にした。
大きく引き延ばしたものを送ろうと思う。


 子供たちに僕らの学校を見てほしいと言われたので、学校まで行く事にした。あぜ道をみんなで歩く。右手にヨグマカルブー・マスジドが見える。

YougmaKharboo village

ヨグマカルブー・マスジド。
岩山をバックに建っている。
木に囲まれたマスジドは美しかった。


 僕らは小学校についた。村の脇にひっそりとそれは建っていた。学校の壁にウルドゥ語の文字に囲まれて英語で”Some hardship in the present will lead to happy future.”と書かれていた。”今の苦労は私たちを幸福な未来に導いてくれるでしょう。”

YougmaKharboo village

ヨグマカルブー村の小学校。

YougmaKharboo village

教室の中で。
後ろのボードは英語での授業の名残だ。
日本より高度な英語教育。



 

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