Friday 5 March 2010

30.シャカール村

 僕たちはハイアー・セカンダリー・スクールを後にすると、サンジェルンマ沿いにサンジャク村方面に車を走らせる。橋を渡るために左折をすると、細い道をさらに山の中に分け入っていく。途中小さな集落をいくつか通り越していく。集落全体で手作りのブランケットを作っているところがあったりして大変面白かった。ハイアー・セカンダリー・スクールを出発してから一時間ほど車を走らせて山中の深い渓谷が徐々に開けていき、干しレンガ作りの家が増えはじめ、やっとシャカール村が見えてきた。

Shakar village

シャカール村に行く途中の集落。
ここもシャカール村の一部なのだ。


 シャカール村のメインストリートに車を止める。僕らは車から降りてあたりの散策を始める。このエリアでは外国人はめずらしいというか、たぶん初めての外国人である自分は非常に目立った。最初はみんな遠目に僕を見ていたが、どこの村でも同じで子供たちが最初に集まってくる。この村も深い山の中だとは思えないほどたくさんの人がいた。非常に活気があるのだ。すごく不思議な感じがする。日本の山深い村が陥っている過疎化とはまったく無縁な世界のようだった。とにかく子供が非常に多いのだ。

Shakar village

シャカール村のメインストリート。

 メインストリートの入り口のところにシャカール・マスジド建っていた。チクタン・マスジドよりもかなり大きい。

Shakar village

シャカール・マスジド

Shakar village

シャカール・マスジド

Shakar village

シャカール村の集落。
メインストリートの真裏にある。
岩山と干しレンガ作りの家のコントラストが素晴らしい。



 僕らはこの村の宗教の指導者と話をする。彼の存在感には圧倒させられた。ただ何も言わずに座っているだけで、伝わってくるものがある。その伝わってくるものとは、彼を通しての、シャカール・チクタンエリアの歴史の重みとか、山岳地帯に根付いているムスリムの神秘性とか、一族の深くて強いつながりとか、民族の誇りとか、いろいろな感覚だ。
 まず最初に僕たちはシャカール・チクタンエリアを自由に散策できるように許可を貰った。
 シャカール村は2010年現在300の家族が住んでいる。昔々、カチョ王のファミリーがシャカールのパレスに住み着いた。今シャカール村の人々はその王様の子孫だと伝えられている。このシャカール・チクタンエリアはハート・オブ・カルギルと言われており、カルギルの心でもあるのだ。カルギルの人たちにとってこのシャカール・チクタンエリアは心のふるさとなのだ。
 秘密の話も教えてもらった。このシャカール・チクタンエリアに入るにはレー方面からはサンジャク・チェックポスト、カルギル方面からはカングラル・チェックポストを通らなければ来れない事になっているのだけど、実際は抜け道があるのだ。ロッツェン村から険しい山を越えてシャカール村まで来れるのだ。だけど最後に一言、指導者は付け加えた。険しく危険な道なので地元人も使わないと。

Shakar village

宗教指導者。
みなぎるオーラ。
包み込むような余裕もあり、非常に落ち着いている。
話も僕の心に置くように話しかけてくる。


Shakar village

シャカール村の地図。
もしかして世界初?
汚くてすみません。


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