Thursday 4 March 2010

29.ラジーの学校

 朝のチクタン村は忙しそうだ。子供が非常に多いので、学校に向かう子たちがにぎやかに大集団で移動する。パブリック・スクール、ハイアー・セカンダリー・スクール、みんな各々の学校に通学していく。お母さんは朝食の食器洗いと家族の衣類の洗濯をチクタン川で、お父さんは農作業に出かける。なんて賑やかなんだろう。僕は朝のチクタン村の忙しそうな活気が好きだった。僕とジミーは村内を少し歩いてから、ラジーの学校を見学しに行く事にした。

Chiktan village

朝のチクタン村。
村中を用水路が駆け巡っている。
用水路はチクタン川にながれ込む。
チクタン川は村人の生活を支える川。
春は雪解けの水が豊富に流れ込んでくる。


Chiktan village

ラジー家の牛。
”なんか用事かい?”と顔を出す。


 僕たちは車に乗り込みラジーの学校に向かう。サンジェルンマ沿いに数分走り左折して川を渡る。チクタン村ズガン地区から非常に近いところに学校はあるのだ。学校の門の外にクリケット上のような広いグランドが広がっており、車はそこに止める。僕らが学校の塀ごしに中を覗き込む。塀に手を引っかけて懸垂しながら中を見ようとしたり、ジャンプしながら中を見ようとしたり、でもなかなか見えないものなのだ。すると中から僕らの存在に気づいた先生が出てきて、僕らを学校の中に案内してくれた。

Chiktan village

学校の二階から望む。
朝礼の風景。


 僕が日本から来た事を伝えると先生たちは非常に喜んだ。外国人が学校に来る事は今までに無かったからだ。僕は職員室に通されて、先生から簡単に学校の概要の説明を受ける。学校の正式名称、ハイアー・セカンダリー・スクール・チクタン。生徒数は225人。初期教育、中級教育はチクタン村の学校で行い、上級教育は主にカルギルの学校で行う。英語教育は小学校の低学年から始まっていて小さな子供と英語で会話が出来たりする事もある。レーの親類の家からレーの学校に通う学生もいる。という話も聞いた。僕はレーには村々から出てきた学生が大勢ルームシェアをしながら住んでいたり、ジミーの家みたいにクルスンの妹タイラは、クルスンの家から学校に通っている事を思い出した。学校の精神的な位置づけは非常に高くて、みんな学校に行く事を誇りに感じている。学校がある日はみんな朝から楽しくてしょうがないという顔をしているのだ。

Chiktan village

ハイアー・セカンダリー・スクール・チクタン。
校舎全景。
こんな大自然に囲まれて勉強するのは、
どんな感じなのだろうかと想像する。


Chiktan village

朝礼風景。
手を振るとみんなが手を振って、
返してくれる。
みんなが僕たちに注目しているので、
ちょっと緊張した。


 僕らは学校から出ると次の村へ向かった。

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