Sunday 22 May 2011

27.木漏れ日散歩道サンジャク村。

 サンジャク村のメインストリートにはマーケットが続いており、そこから見る限りではなんの変哲も無い村なのだが、マーケットの裏に潜り込み山中をひたすら息も切れ切れに登っていくと、途中に木漏れ日の中、緑の土地が目の前に広がってくる。

 そこからが本当のサンジャク村の始まりで、山の斜面に石積みで出来た散歩道が縦横無尽に張り巡らされており、古い家々も水路とともに、葉っぱの影やその間から射す光や鳥の鳴き声などに囲まれた様子は私たちを楽しませてくれる。

 その散歩道をしばらく進むとマスジドが緑の中そびえており、それを横目に進んでいくとより高いところに学校が見えて来る。そこから向こうは新しく増設されたサンジャク村のエリアで、その家々を通過して、家々がなくなる所まで歩く。

 しかし家々がなくなってもその散歩道は続いており、右側に緑の土地とインダス川、左側に岩山を仰ぎながら進んでいくと、丁度、右側の緑の切れたあたりまでがサンジャク村の最深部となる。

 それでもまだまだ散歩道は続くのだが聞くところに寄るとこの道はインダス川下流にずっと進んで行くとバタリク村に繋がるという話だ。そして今いる所からインダス川をはさみ対岸の緑あふれる村がビャマ村となる。

ladakh


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 引き返し、今度は反対側方面に散歩道を進んでいく。水路と散歩道が平行して走っており、緑の木々がその散歩道を囲んで続いている姿はまさに緑の回廊だ。木漏れ日の回廊と長い長い散歩道はまるで京都の疎水沿いに続く哲学の道を彷彿させる。その擦れ違うのがやっとの散歩道ではやはり時々村人と擦れ違う。

 その村人が背負ったバケットには沢山の野菜が入れられている。トマト、根菜、青菜、ビーンズ、たまねぎ、ショウガ、今の季節はいろいろな野菜が良く取れる。サンジャク村ではアプリコットの花の季節は終わったが白くて美しい花が木々に垂れ込めているのが時々見られるが、その木はリンゴの花だという。

 ラダックのリンゴは姫リンゴのような小さなリンゴだが、かじるとその体躯に似合わず甘い蜜が口いっぱいに滴り広がる。僕はりんご追分を口ずさみながら散歩道を歩いていく。そして気がつくと左側の斜面に古い古い木が立っている、この木は樹齢1000年以上経っているヒマラヤ杉でサンジャク村ではシュクパと呼ばれている木だ。

 チクタン村のチュルングス上流にそびえ立つシュクパ・ワンチャンのような異次元の瞬きは無いが、ひっそりと佇むその姿もまた慎ましくてありだなと思う。この散歩道は途中で崩れて進めないようになっていたので、また引き返す。

 途中の木々の間から見える景色は左にインダス川、遥か下にはカンジ・ナラ、右手にそびえるは高い高い岩山、左手にそびえるのも天までつきささるような岩山で、それらが囲んでいる中央の深い緑を懐に抱いているのが初夏のサンジャク村の大変美しい部分だ。

 村の家々が顔を出すところまで戻ると、下に行けばマーケット方面に降りられ、まだまだ進むとマスジドがあるという分岐の小径の脇のところに頭にスカーフを巻いた女の子たちが座っていたので、すこし話をする。

 その女の子の一人に見覚があり、去年のヨクマ・カルブー村でお茶をごちそうになった家の子で、日曜日を利用して親戚のいるサンジャク村まで遊びに来ているとの事だった。女の子たちは目の前にそびえる高い高い岩山の頂上付近を凝視していて、たくさんの動物が住んでいるという。

 鳥たち、野良羊、マーモット、胴体が凄く長い山猫そしてタイガー。?今確かに一人の女の子がぽつりとタイガーって言った。居るんだトラが・・。会いたくないけどいつか見てみたいなぁ。

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