いくら待っても車は来なかった。来たとしても満車のセルビスが僕の前をむなしく通り過ぎて行くだけだった。しばらく考えこんだ後、僕は見上げる。そこには東西を縦断している高速道路がそびえ立っていた。
「はぁ、高速道路か。」
僕はため息をつくと意を決して高速道路によじ上った。そして高速道路上でヒッチハイクを始める。アーミーやポリスに捕まりませんようにと祈りながら。するとものの2、3分で車は捕まった。やさしいだれかは車の後ろのドアを開けると乗るようにすすめる。僕は笑顔を絶やさず乗り込むべき車の中を見ると、体が氷つき、次の瞬間後ろに一歩退いた。そこにはアーミーが乗っていたのだ。だがそのアーミーは優しかった。僕に手を差し伸べ車に乗り込むのを手伝ってくれた。彼らは僕に聞く。
「どこに行くんだい?」
僕は答える。
「海へ。」
車は真っすぐ西海岸に向けて走り出した。1時間ほど走って海辺の街タルトゥースに到着すると、僕はそこで車を降りた。僕はその街から少し内陸に入ったサフィータという街を目指す。この街はマイナーな街だけれど、どこかでサフィータの写真を目にして、その美しさが僕の心を揺さぶったので、是非行ってみたいと思っていたのだ。ガラージュからサフィータ行きのセルビスに乗り込み40分ほど走ったところで写真で見覚えがある風景が目の前に広がった。僕はまわりの乗客に聞く。
「ここはサフィータですか?」
乗客は同音一同そうだと言ったり、うなずいたりしたので僕はその街でセルビスから降りた。
年代物の車がたくさん走っていた。サフィータのその街の響き同様に潮風と太陽が似合う陽気な街だ。
海が近い事もあり魚も売っている。
サフィータの人たち。女性の様子がシリアの他の街と違う事に気づく。女性が頭にヒジャブを巻いていないのだ。そうここはキリスト教の街なのだ。ギリシャ正教の街だ。東方正教会とも呼ばれ、正しく神を讃美するためには正しい伝統に基づいた信仰が必要との理念を持っており、イコン崇拝を重要しした宗教なのだ。
僕は彼らにサフィータの街が一番美しく見えるポイントまで連れて行ってもらった。一棟の古いマンションに登って行き屋上に出るとその素晴らしい景色は広がっていた。赤い屋根が印象的なシリアでも最も美しい街の一つサフィータが目の前に迫ってきた。丘の上の頂上に立つ古い建物はサフィータ・ボルジュと呼ばれている、ギリシャ正教会だ。12世紀頃に十字軍によってたてられた建物で、高さ27メートルの鉄壁の要塞なのだ。
街を散策していると教会の前で一人の牧師に出会った。僕は彼に街を案内してもらう事にした。その前に腹ごしらえのためレストランに入った。
名前はよく分からないが出てきたものを食べた。西海岸の料理はオーソドックスなシリアの料理とだいぶ感じが違うのだ。ホブスとケバブの基本スタイルは変わらないのだが、ソース一つをとっても料理がよりダイナミックで西洋により近いものに変化しているような気がする。
共同墓地の前を通り過ぎる。サフィータの街の人々が眠っている墓地は街の真ん中にあって、死の暗さが全くなかった。僕は日本人の死生感とは、きっとだいぶちがうものがあるのだろうと思った。
サフィータの街のど真ん中からサフィータ・ボルジュが見えて来る。圧倒的な存在感で目の前に現れた。非現実的な中世の風景の前に僕は少し戸惑う。
サフィータ・ボルジュの麓まで歩いてきた。改めて近くでみても、それはとてつもなくでかい。でかくて古いだけではなく、現在も教会として使われている事実が凄かった。要塞の教会だ。
巨大なサフィータ・ボルジュの麓で後ろを振り返るとそこにも巨大な遺跡があった。サフィータの街自体が遺跡の上にあるのだ。
サフィータ・ボルジュの前に回ると教会の入り口がある。
教会の内部。この巨大なサフィータ・ボルジュは2層になっていて教会の上の階にもフロアがあるらしい。
サフィータ・ボルジュから下りながら街を散策する。僕はラタキア行きのバス停を探す事にする。
この素晴らしい坂の街を散策していると、ここがシリアだと言う事を忘れてしまいそうになる。サフィータはシリアのイタリアかギリシャだとささやかれているようだ。
古い坂の街には古い車がよく似合う。
バス停に着いたので僕はそこでシャイをごちそうになる。これもまた他のシリアの地域とは全く違う飲み方だった。コップにてんこもりにお茶っ葉を入れて、砂糖をこれでもかというほどぶちこんで、あつあつのお湯を上から注ぎ込んで、金属製のストロー状のスプーンで吸うのだ。体に悪いと思うのだが、香りもヘビーで甘くて濃くて美味かった。飲むと次から次へとお湯が注ぎ込まれる。僕はシャイを7杯平らげると、ラタキア行きのバスがやってきた。
「はぁ、高速道路か。」
僕はため息をつくと意を決して高速道路によじ上った。そして高速道路上でヒッチハイクを始める。アーミーやポリスに捕まりませんようにと祈りながら。するとものの2、3分で車は捕まった。やさしいだれかは車の後ろのドアを開けると乗るようにすすめる。僕は笑顔を絶やさず乗り込むべき車の中を見ると、体が氷つき、次の瞬間後ろに一歩退いた。そこにはアーミーが乗っていたのだ。だがそのアーミーは優しかった。僕に手を差し伸べ車に乗り込むのを手伝ってくれた。彼らは僕に聞く。
「どこに行くんだい?」
僕は答える。
「海へ。」
車は真っすぐ西海岸に向けて走り出した。1時間ほど走って海辺の街タルトゥースに到着すると、僕はそこで車を降りた。僕はその街から少し内陸に入ったサフィータという街を目指す。この街はマイナーな街だけれど、どこかでサフィータの写真を目にして、その美しさが僕の心を揺さぶったので、是非行ってみたいと思っていたのだ。ガラージュからサフィータ行きのセルビスに乗り込み40分ほど走ったところで写真で見覚えがある風景が目の前に広がった。僕はまわりの乗客に聞く。
「ここはサフィータですか?」
乗客は同音一同そうだと言ったり、うなずいたりしたので僕はその街でセルビスから降りた。
年代物の車がたくさん走っていた。サフィータのその街の響き同様に潮風と太陽が似合う陽気な街だ。
海が近い事もあり魚も売っている。
サフィータの人たち。女性の様子がシリアの他の街と違う事に気づく。女性が頭にヒジャブを巻いていないのだ。そうここはキリスト教の街なのだ。ギリシャ正教の街だ。東方正教会とも呼ばれ、正しく神を讃美するためには正しい伝統に基づいた信仰が必要との理念を持っており、イコン崇拝を重要しした宗教なのだ。
僕は彼らにサフィータの街が一番美しく見えるポイントまで連れて行ってもらった。一棟の古いマンションに登って行き屋上に出るとその素晴らしい景色は広がっていた。赤い屋根が印象的なシリアでも最も美しい街の一つサフィータが目の前に迫ってきた。丘の上の頂上に立つ古い建物はサフィータ・ボルジュと呼ばれている、ギリシャ正教会だ。12世紀頃に十字軍によってたてられた建物で、高さ27メートルの鉄壁の要塞なのだ。
街を散策していると教会の前で一人の牧師に出会った。僕は彼に街を案内してもらう事にした。その前に腹ごしらえのためレストランに入った。
名前はよく分からないが出てきたものを食べた。西海岸の料理はオーソドックスなシリアの料理とだいぶ感じが違うのだ。ホブスとケバブの基本スタイルは変わらないのだが、ソース一つをとっても料理がよりダイナミックで西洋により近いものに変化しているような気がする。
共同墓地の前を通り過ぎる。サフィータの街の人々が眠っている墓地は街の真ん中にあって、死の暗さが全くなかった。僕は日本人の死生感とは、きっとだいぶちがうものがあるのだろうと思った。
サフィータの街のど真ん中からサフィータ・ボルジュが見えて来る。圧倒的な存在感で目の前に現れた。非現実的な中世の風景の前に僕は少し戸惑う。
サフィータ・ボルジュの麓まで歩いてきた。改めて近くでみても、それはとてつもなくでかい。でかくて古いだけではなく、現在も教会として使われている事実が凄かった。要塞の教会だ。
巨大なサフィータ・ボルジュの麓で後ろを振り返るとそこにも巨大な遺跡があった。サフィータの街自体が遺跡の上にあるのだ。
サフィータ・ボルジュの前に回ると教会の入り口がある。
教会の内部。この巨大なサフィータ・ボルジュは2層になっていて教会の上の階にもフロアがあるらしい。
サフィータ・ボルジュから下りながら街を散策する。僕はラタキア行きのバス停を探す事にする。
この素晴らしい坂の街を散策していると、ここがシリアだと言う事を忘れてしまいそうになる。サフィータはシリアのイタリアかギリシャだとささやかれているようだ。
古い坂の街には古い車がよく似合う。
バス停に着いたので僕はそこでシャイをごちそうになる。これもまた他のシリアの地域とは全く違う飲み方だった。コップにてんこもりにお茶っ葉を入れて、砂糖をこれでもかというほどぶちこんで、あつあつのお湯を上から注ぎ込んで、金属製のストロー状のスプーンで吸うのだ。体に悪いと思うのだが、香りもヘビーで甘くて濃くて美味かった。飲むと次から次へとお湯が注ぎ込まれる。僕はシャイを7杯平らげると、ラタキア行きのバスがやってきた。
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