チクタン村ズガン地区からカンジ・ナラを下流に向かって1時間ほど歩くとマングモルという村見えて来る。路傍には店が軒先をならべて、競ったように立っている。
20軒以上はあろうか、しかし営業している店は少ない。年老いたものたちが一日中店の前に座っていて、今年の作物の出来の予想だとか、往年のクリケットの名選手の話だとか、かみさんのぐちだとか話は尽きない。
店はこんなにたくさんあるのに肝心のマスジドがどこにあるこか皆目検討がつかない...
Saturday, 30 April 2011
Friday, 29 April 2011
16.上流に向かって歩く。
細かい雪が降っていた。しかしその雪の向こうに太陽が透けて見える。今日のチクタン村は太陽の光に雪が反射して春の眠たい朝の陽気を演出していた。
カンジ・ナラの上流から流れて来る水は雪解けの水と乾いた砂が混ざり合って、春の陽気に逆らわず徹底的に緩慢にかつ豊富な水量でチクタン村のという名前がこの地域に根ずくずっと前より、毎年変わらず気の遠くなる作業し続け、このエリアの地形を作ってきた。僕はズガン地区のカンジ・ナラにかかる橋を渡り上流に...
Thursday, 28 April 2011
15.公営バスの話。
四日前の事だ。僕はカンジならにかかる橋の麓で立っていた。
朝の七時。朝の空気は険しく厳しく、まだ陽が届いていないチクタン村は長くて深い影のかにあり、吐く息は白く煙霧のようであった。七時発着予定のカルギル行きの公営バスが時間通りにズガン地区にくる。始めはそう信じていた。でもバスはこない。
七時三十分、朝の太陽がチクタン村の高い山々のを越えて顔を出し始めると、やっと村にも少し陽が届くようになる。空気が朝の日差しを浴びて熱を持ち...
Wednesday, 27 April 2011
14.ひょうが降る。
僕はカンジ・ナラ沿いの道を下流に向かって歩いている。その道は乾燥していて車が通る度に砂を舞いあげたり、山側から流れて来る水により泥道になっていたり、舗装はしてあるがほとんど剥がれてでこぼこしていたりと一筋縄ではいかない。そして今日の雲は厚くて速い。風が生まれているのだ。
その風は砂も舞い上げ、僕の体も前より押さえつける。そして僕は次第に歩みも遅くなる。一瞬とびきり大きいのがふいたかと思うと次の瞬間、白い小さな固まりが降って...
Tuesday, 26 April 2011
13.地図作り
今日はチクタンエリアの小さな村々の地図を作る事にした。ズガン地区を橋を渡り出て行く。そしてカンジ・ナラという川を左折してしばらく行くと大きな岩山の麓に売店が見える。その売店を通り過ごすとメイン・マーケットに差し掛かる。
メイン・マーケットと言ってもショップが2、3件あるだけの小さなマーケットだ。青年たちがよくマーケットの通りでよくクリケットをしているのを見かける。僕もたまに参加したりするのだが、野球とクリケットのバッター(?)...
Monday, 25 April 2011
12.チクタン村の農作業とプラタンの話。
チクタン村の農作業の季節が今日一斉に始まった。まさに毎日眠たい目をこすり続けていた村が、冷たい水で顔を洗うがのごとく目を覚ましたのだ。農作業が始まる前日より自分の農地を見に行く人がいたりと、みんななんだかそわそわしている。そしてとうとう朝が来た。
家族総出で始まる農作業は、一年で一番忙しい行事のひとつだ。まず始めに肥料土を農地にまいて行くのだが、これがまた大変な作業だ。肥料土をスコップで女性が背負っているツェポといわれるかごの...
Saturday, 23 April 2011
11.学校とチョルテン。
朝食を済ませると僕は学校を回る事にした。カンジ・ナラに架かる木造の古い橋の麓に二つの学校がある。チュルングスの小川に一番近い学校の名前はガバメント・ガウス・ミドル・スクール・チクタン。そして次の並びにあるのが、マスミ・パブリック・スクール・チクタン・ズガンだ。
僕はまず最初の学校のガバメント・ガウス・ミドル・スクール・チクタンに顔を出す。覗いてみると、青空の下で授業をしていた。僕は先生に誘われるままに土の上に置いてある...
Friday, 22 April 2011
10.パルギュ村にて。
朝起きてヨセフとパルギュ村に向かう。パルギュ村は去年の洪水で、ハグニス村についで被害が大きかった村だ。パルギュ村はチクタン村よりカンジ・ナラを上流に12キロほど行ったところにある。朝の太陽が雲に見え隠れする天気の中、僕らはハグニス村に向かった。
20分ほど歩くと、前方右手にたくさんの人が集まっているのが見えた。聞くと生まれたばかりの子供に名前をつけるお祭りをやっているのだ。僕らもそのお祭りに招待された。このお祭りにはシャカール...
