Tuesday, 25 September 2012

5.アーユルヴェーダとボーディ・プージャと。

土曜日の午前中、ケッタラーマ寺では近隣の村人のためにアーユルヴェーダの出張診療所が開設される。医療機関よりアーユルヴェーダ専門の先生がお寺を訪問されて無料で診療が行われるのだ。朝早くから近隣の村々より人が集まり始める。人が集まり始めると病院からの車がお寺に到着し、さっそく診療が行われる。アーユルヴェーダとは現代西洋でいう医学のみならず、生活の知恵、生命科学、哲学の概念も含んでおり、現在、世界各地で西洋医学の代替手段として利用されてい...

Monday, 24 September 2012

4.コロンボの大法要とスプートニク・インターナショナル。

朝早く起きると、僕たちは早速コロンボに向けて出発する。ケッタラーマ寺僧侶たちの乗った車の窓は大きく開け放たれ、後部座席からは歌声を聞こえ、南国の風に運ばれているこの車での移動は, さながらマジカル・ミステリー・ツアー的な小旅行となった。クルネーガラからコロンボに続く一本道は、緑濃いジャングルの海を渡す船のようだ。その道を走っていると晴れた太陽がそっとどこかに隠れ、誰かが突然インド洋を空に持ち上げて、ぱっと手を離したようなものすごい量...

Sunday, 23 September 2012

3.聖地アヌラーダプラ。

今朝早くケッタラーマ寺の僧侶の僕を含め6人で、アヌラーダプラへ向う。クルネーガラの街を抜けると、ひたすら真っすぐな道が、地平線の向こう側まで投げられた長い長いロープのようにスリランカの太古のジャングルの中を走っている。クルネーガラ近隣のウェットなジャングルは北に進むにつれてドライなジャングルに変わっていく。木々の間の緑は土の色に変わり、ジャングルの中のサバンナの様相が濃くなってくる。乾いた土地に作られた大きな貯水池の水量は少ない。そ...

Saturday, 22 September 2012

2.ピルワナ僧院学校と法要の話。

ケッタラーマ寺の門をくぐり外に出ると、収穫を終えた低い緑の雑草で覆われた田んぼが広がっていおり、その中でたくさんの水牛がその草をついばんでいる。スリランカの空はどこまでも高く、突き抜けた青さに包まれたオレンジの布は、木陰で涼しげにたなびいている。田んぼの中を伸びる細い道を歩き、森の中に点在する小さなトロピカルな家々が見える細い道を歩いていく。その家先を歩くとき村人たちはいつも笑顔で迎えてくれる。両手を合わせてアーユボーワンと挨拶すれば、その倍の笑顔をいつも返してくれる。 進むと森の中に小さな交差点が見えて来て、その向こう側にピルワナの僧院学校がある。僧院学校の壁には、郵便局のブランチが埋め込まれたように存在していて、そこの前を通るといつも駐在の女性が手を振ってくれる。正面には先生僧侶方の宿泊施設があり、学校の門をくぐると右手奥の方に仏陀の像、左手奥手に子供の僧侶たちの宿泊所、そして学校がある。先生方の宿泊施設の横には山肌を下る階段がついており、山の斜面にこの学校が建てられてる事が分かる。そしてその階段を下り、先生僧侶の宿泊施設の裏手から子供の僧侶たちの宿泊施設の方へ回り込み、僧院学校の方へ向う。右手には大きな井戸が林の中に見え、その向こうに田んぼが広がっており、僧侶たちはそこで行水をするのだ。裏手に広がる田んぼには水牛がたくさん黄昏れていて、スリランカの象徴的な一風景を作り出している。僧院学校はコンクリートの土台に柱が何本もついていて、そこに屋根がのっかっている半青空教室のようになっている。中ではたくさんの子坊主たちが授業を受けていて、その顔は真剣そのものだ。今日は先生方は3人来ていて、僧院学校の広いスペースにいくつもの椅子や机と1人の先生を一セットとすると、三カ所の授業コロニーが出来ている。授業の合間に紅茶の休憩が入る。生徒たちはおのおのブラックティーやミルクティーなどの好きな紅茶を作っていく。なんだかんだと休憩中に子坊主さんたちとのたわいのない話で盛り上がった後に、また真剣な眼差しで授業に入る。このピルワナの僧院学校に来ている子坊主さんたちは、僧侶になりたい子供、家庭の事情で来ている子供、その他いろいろな何かを抱えて来ている子坊主さんたちがたくさんいる。この年で親の元を離れる事はどれだけつらい事だろうかと想像できる。しかし子供たちは強い。そんな事をみじんも感じさせないその笑顔はいつも明るく弾けている。そして日々をどうにかうっちゃっている。そんなけなげな子供たちのいるこの学校は、乾いた手ぬぐいをしぼるようにしてなんとか運営資金を捻出している。そしていろいろと試行錯誤したあげく、ケッタラーマ寺に外国人ツーリストのための宿泊施設を作り、そこに泊まって頂く事で、宿泊料金はドネーションという形で外国の方が自由に決めて頂き、それを僧院学校の運営資金に当てようではないかという事となった。実際、今現在はその外国人ツーリストもしくは外国人長期滞在者の方の宿泊施設を建設中で、その資金ももちろんままならないので、工事はストップしたりたまに村人たちが集まりすこし進んだり、となかなか先が見えないが、とにかくわずかだが進んでいるように見える。古い別棟にも二部屋ほど空いているので、突然宿泊したいという旅行者が来てもなんとか受け入れられる体制なのだが、なにせ小さな資金と人手が足りないお寺なので、お寺自体の整備もあまり進んでいない。もしこのブログを読んで頂いている方の中に外構経験者、もしくは庭師、ガーデニングデザイナー等の方で、是非スリランカでお手伝いをしたい人がおりましたら、是非気軽に連絡をくださいませ。また突然の訪問も歓迎しております。交通費はさすがに出せませんが、ボランティアの方々には宿泊、食事は全て無料で提供させて頂きますし、観光のアレンジもさせて頂きます...

Friday, 21 September 2012

1.元祖微笑みの国スリランカ。

飛行機でインド洋上に出ると、空気が変わる事を感じる。それは飛行機の中や外の実体の空気という意味ではなく、何か今まで僕の世界を取り巻いていた少しざらざらとしたものが、少しずつとろけて柔らかくなっていく過程を実感しているという意味でだ。なにやら形容しがたかったインドから今スリランカ上空に飛行機が入ったところで、その感覚は一層深まりそして安らいでいく。飛行機は徐々に機首を下げてコロンボに向っている。そして機内で視聴した映画はマリーゴールド...
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