Tuesday, 30 October 2012

8.トッピガラとタミル・イーラム解放の虎。

ウルパタラガマ村を出てトラックの荷台に揺られている。長い長い鉄道は、僕が行く道に寄り添うように並んでおり、たまに通り過ぎる車軸はその重たい体躯をのろのろと引きずるように進ませている。紺碧の空の下、灌木の森はどこまでもどこまでも広がりを見せ、時折視界が大きく開けたかと思うとそこには、空の色と変わらない水面光る湖が横たわっている。灼熱の太陽に震える鉄橋の下にとうとうと流れるスリランカ最大のマハウェリ川が見えてくる。川は水が豊富な地帯より...

Monday, 29 October 2012

7.ウルパタラガマ村。

クルネーガラより北へ向って、おんぼろバスに揺られている。バスの中は満員で足の踏み場もないほどだ。クルネーガラを出発したばかりのバスの中はワデー売り、とうもろこし売り、お菓子売り、新聞売りなどの売り子が乗っては出て行き、出ては乗るのくりかえしで、スリランカの朝の街の喧騒を形作っている。そんなバスに乗っているといつも平和だなと思う。ある国ではバスの窓枠に手榴弾よけの柵が作られていたり、ある国ではボディチェックをしなければ乗れないバスがあ...

Sunday, 28 October 2012

6.岩山にある小さなお寺。

トゥクトゥクの運転手の家での昼食に招待された。ケッタラーマ寺から一度クルネーガラの街に出て、街の外れにある家に向うのだがわりと遠い。クルネーガラの街を抜けると、放射状に街より出て行く道の中の一本を郊外に向けて走り出す。数分も走るとクルネーガラ郊外はすぐにジャングルに包まれる。その森はどこまでも深くて広く、そして濃い緑の大地は地平線をとび越えて海まで泳いでいる。時折ジャングルの森の木々の間より、遠くに大きな大きな岩山が見え、お寺が岩の...

Tuesday, 25 September 2012

5.アーユルヴェーダとボーディ・プージャと。

土曜日の午前中、ケッタラーマ寺では近隣の村人のためにアーユルヴェーダの出張診療所が開設される。医療機関よりアーユルヴェーダ専門の先生がお寺を訪問されて無料で診療が行われるのだ。朝早くから近隣の村々より人が集まり始める。人が集まり始めると病院からの車がお寺に到着し、さっそく診療が行われる。アーユルヴェーダとは現代西洋でいう医学のみならず、生活の知恵、生命科学、哲学の概念も含んでおり、現在、世界各地で西洋医学の代替手段として利用されてい...

Monday, 24 September 2012

4.コロンボの大法要とスプートニク・インターナショナル。

朝早く起きると、僕たちは早速コロンボに向けて出発する。ケッタラーマ寺僧侶たちの乗った車の窓は大きく開け放たれ、後部座席からは歌声を聞こえ、南国の風に運ばれているこの車での移動は, さながらマジカル・ミステリー・ツアー的な小旅行となった。クルネーガラからコロンボに続く一本道は、緑濃いジャングルの海を渡す船のようだ。その道を走っていると晴れた太陽がそっとどこかに隠れ、誰かが突然インド洋を空に持ち上げて、ぱっと手を離したようなものすごい量...
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