Tuesday, 31 December 2013

6.ゲストハウスを作る。

当初予定は子供たちの小さな図書館を作る予定だったのだが、チクタン村にモラビアン・スクールが入ってきて状況が変わった。チクタン村の背には村人たちがプラタンと呼んでいる乾いて切り立った台地がそびえており、その頂上から一望できるチクタン村は圧巻で、グランドキャニオンを彷彿させる光景だ。プラタンの頂上にモラビアン・スクールが新しい校舎を建設する予定だ。そこに図書館も併設されるプランなので、僕が当初計画していた子供たちの図書館作りはモラ...

Thursday, 26 December 2013

5.チクタン村の学校。

チクタン村のこの山間のズガン地区には小さな学校が二つある。ガバメント(公立)・スクールとプライベート(私立)・スクールである。この学校は隣同士仲良くならんでいる。 数年前初めてガバメント・スクールの方に顔を出したのだが、教室を覗いてみると学校の先生がいない。次の日も行ってみた。やはり学校の先生がいない。どうしたものか生徒たちに尋ねてみるとどこにいるのか分からないという答えが返ってくる。そして生徒たちはというとおとなしく自習をしている。僕はこんな学校の現状を悲観して、去年インターネットを通じてこの村の学校の現状を...

Sunday, 1 December 2013

4.そして東へ。

カルギルのバス・ターミナルを出発したシェア・タクシーは東へ向う。タクシーのほとんどが4輪駆動車で、悪路が多い山間の道では大変役に立つ。カルギルの街を背に徐々に標高を上げていく。高みから見下ろす街は、ヒマラヤの荒涼とした風景に佇む緑のオアシス。そのオアシスの真ん中をスル・リバーが静かに悠々と流れている。それは乾いた大地を潤す水だ。このスル・リバーはラダックの最深部、ザンスカールに続いている。 そして車は砂煙を巻き上げて走り続けている...

Friday, 15 November 2013

3.カルギルの街。

カルギルの街の朝は、タキを焼く匂いと通学の子供たちが行き交う雑踏で始まる。カシミール・ブレッドのタキは、小麦粉を手早くこねて平らに丸く広げ、凹凸をつけたのを、良く熱せられた大きな壷の内側に何枚も貼付けていく。数分でパンに火が通り、こんがりと焼けたパンの匂いが朝のカルギルの通りを漂っていくのだ。茶屋の主人たちはこのこんがりと焼けたのをまとめて仕入れるが、個人客でも一枚、数ルピーで買う事が出来る。茶屋はカルギルの街道沿いにたくさんあるが...

Friday, 1 November 2013

2.更に北へ。

早秋のスリナガルの空港に降り立つ。雲は高く、日差しは強いが、空気はまとわりつかず、引き締まっていて、ところどころに秋の気配を感じさせる。友人のユスフが空港まで迎えにきてくれていた。しかし飛行機は3時間遅れの到着だったので、彼の表情も少し疲れているようだった。街を流しながらアパートに向うのだが、去年に比べて軍と警察の数が多いような気がした。装甲車も主要な交差点に配備されており、ちょっとものものしい雰囲気だ。その事をユスフに伝えると、彼...

Thursday, 31 October 2013

1.ムンバイへ。

早朝に秋の気配が色濃く残るスリランカを飛び立って数時間後、僕は熱気と喧騒で潤む街、ムンバイの空港に降り立った。次の便まで21時間待ち、さてどうしようかと途方に暮れながら空港の前のカフェでお茶を濁していると、入れ替わり立ち代わり様々なホテルのポン引きが声をかけてくる。空き時間、ホテルで休むのもいいだろうと思っていたが、彼らが提示する金額は予想以上に高く、僕も次から次へと断っていた。ムンバイは結局の所、まともなホテルは先進国の人々向けなのだ。スリランカでは一ヶ月日本円にして千円以内で過ごしてきた僕は、一泊するだけで数ヶ月分の生活費が飛ぶことにとても躊躇していたのだ...
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