僕は始めはクネイトラに行こうと思った。クネイトラとは1974年にイスラエルの爆撃された跡をそのまま残している、ゴラン高原の東端にある村だ。クネイトラに入るには許可が必要なのだ。僕は朝早くセントラル・ダマスカスにある申請所に行くが、今日は休みだとSPに言われ、あっさりあきらめた。
僕はここからガラージュに向かい、マルムーサ修道院に行く事にした。マルムーサはダマスカスの北およそ60キロメートルの場所にある修道院だ。セルビスは荒涼た...
Saturday, 30 October 2010
Friday, 29 October 2010
14.セントラル・ダマスカスの夜とシリアの音楽家。
マアルーラから戻って来ると、僕はオープンカフェで休憩をした。ナルギーレを吸っている商人がたくさんいる。カフェの中にはアジア系の旅人も紛れており、ナルギーレをうまく吸えないらしく咳き込んで苦笑いをしている。
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Thursday, 28 October 2010
13.キリスト教の村、マアルーラ。
僕はダマスカスの北東にあるガラージュ・マアルーラからセルビスに乗り込みマアルーラ村に向かう。セルビスは北へ向かい、途中から道を逸れて荒涼として岩山に入っていく。走る事一時間、セルビスはマアルーラ村に到着する。
マアルーラは岩山にへばりつくように広がっている小さなキリスト教徒の村だ。イエスが布教の時に用いてた言葉はアラム語と呼ばれる言葉で、古くは紀元前1800年前後から紀元前1600年前後のバビロニア帝国時代、紀元前600年前後...
Wednesday, 27 October 2010
12.再び、ダマスカス旧市街を歩く。
ラタキアを出発してから数時間、昼頃にダマスカスに到着する。ガラージュからタクシーに乗ってヒジャーズ駅の前で降りて、郵便局に行き、日本にいらない荷物を送った。寝袋だ。これが使わないのにかさばり続け疲労困憊の最大の原因になっていたのだ。いつ日本に届くだろうか?
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Tuesday, 26 October 2010
11.ラタキアの夜。
サフィータより左に地中海を望みながら、バスに揺られて数時間、ラタキアの街に到着する。ラタキアのガラージュよりタクシーで中心部に向かい、ラタキア・ホテルにチェックインして荷物を降ろして、スークを散策する。
ラタキアはサフィータ同様、シリアによくある保守的なタイプの街とはかなり違う。ローマ時代より港で栄えてきた街らしく、ラタキアはさまざまな国の船乗りが休息する場所なのだ。イタリア、ギリシャ、ロシアを筆頭にいろんな国の人々が立ち寄る...
Monday, 25 October 2010
10.太陽の街、サフィータ。
いくら待っても車は来なかった。来たとしても満車のセルビスが僕の前をむなしく通り過ぎて行くだけだった。しばらく考えこんだ後、僕は見上げる。そこには東西を縦断している高速道路がそびえ立っていた。
「はぁ、高速道路か。」
僕はため息をつくと意を決して高速道路によじ上った。そして高速道路上でヒッチハイクを始める。アーミーやポリスに捕まりませんようにと祈りながら。するとものの2、3分で車は捕まった。やさしいだれかは車の後ろのドアを開けると...
Saturday, 23 October 2010
9.天空の城、クラック・デ・シュバリエ。
次の日、ホテルを7時に出てクラック・デ・シュバリエに向かう。ハマからは直接クラック・デ・シュバリエに向かうセルビスやミニバスが出ていないので、ホムスで乗り換えなければならない。ホムスには8時頃到着して、クラック・デ・シュバリエ行きのセルビスに乗り込む。セルビスが一杯になってから出発するので、出発は何時になるかわからない。僕はぼんやり窓の外を見ている。窓の外ではシリア人のバスの運転手同士が、朝っぱらから大げんかをしている。何について...
Friday, 22 October 2010
8.ハマのスークを歩く。
僕はハマのスークを歩く。ハマの夜は賑やかだ。ライトアップされている夜のモスクを見上げる。街の喧噪の中に浮かび上がるモスクは、月明かりに照らされた夜の中を飛ぶ夜蝶のようだった。
ハマのスークはダマスカスやアレッポのスークと比べるとずっと小さいのでシリアの流通の中心というわけではない。1500年代にシリアの商人によって作られたと言われている。この小さなスークは観光地としての機能はしていないので、本来のスークの雰囲気を十分に...
Thursday, 21 October 2010
7.悲しき水車の街ハマ。
ーー 2011年よりシリアは大変深刻な時期を迎えております。 日々ニュースから入ってくる情報は辛い話ばかりです。もう誰一人として死んで欲しくはないのです。僕はこの内戦が終わる事を心からお祈りしています。ーー
*シリアのショート・ムービーを作りました。 ここに写っているのは2010年の平和なシリアです。*
僕はパルミラからホムスに向かうミニバスに乗っている。ミニバスは満員で観光客は僕一人のようだ。...
Tuesday, 19 October 2010
6.スズキタカシとベドウィン
僕がスズキタカシの車に乗り込むと、砂漠地帯の中を走り始める。30分ほど走っただろうか、肉眼で確認できうる距離に砂漠の上、数張りのテントが見えてきた。
「あれがお邪魔するベドウィン・キャンプ。」
スズキタカシはそう言うと車のアクセルを深く踏み込む。タクシーは砂埃を巻き上げながら数分疾走してベドウィン・キャンプの前に止まった。
僕たちはキャンプの主人にテントの中に通された。砂漠の気温は40度は軽く超えていたが、テントの中は風通し...
Monday, 18 October 2010
5.スズキタカシとお墓。
パルミラの記念門でスズキタカシに捕まった。
スズキタカシとはシリア人で、このパルミラを営業のテリトリーとしている日本人の間では有名なタクシードライバーなのである。スズキタカシと言っても彼はまったく日本語が話せない。8年前に日本人にこの名前を貰って(教えてもらって)今はタクシーのダッシュボードの上に”スズキタカシ”と書かれたボードを正面からよく見えるように置いている。数年前に中田英寿がシリアを放浪した時、スズキタカシにガイドをし...
Sunday, 17 October 2010
4.砂漠のオアシス、パルミラ。
次の日の朝、僕はダマスカスのガラージュ・ハラスターに向かった。セルビスやバスのターミナルをシリアではガラージュと呼ぶのだ。セルビスと言うのは、大型のワゴン車を使ったタクシーの事だ。SERVICE TAXIと表記する。ガラージュ・ハラスターはダマスカスのガラージュの中では規模が大きく、朝のまだ日が昇る前から人であふれていた。ターミナル沿いには格バス会社のチケット売り場が並んでおり、その向かいには多くの売店やレストランが朝の空腹...
Saturday, 16 October 2010
3.オールド・ダマスカスを歩く。
僕たちはウマイヤド・モスクを出て、再びオールド・ダマスカスを歩き出す。モスクの外壁沿いにも古い商店が続いており、そこには多くは木製品を扱った工芸品の店がずらりと並んでいる。観光客は木製品やアクセサリーなどを手に取り品定めをしたり、店主と話をしたりしていた。
9月のダマスカスの空は限りなく高く、乾いた空気が暑さをそれほど感じさせないでいた。
今日は土曜日で休日である。イスラム圏の多くは金曜日と土曜日が休みなのだ。一番大切なの...
Friday, 15 October 2010
2.世界一古い街ダマスカス。
僕はラーマたちのタクシーに乗り込んだ。シリアのタクシーはイエローカラーのタクシーでダマスカス市内なら200SP以内でどこでも行く事が出来る。すごくアバウトなのだが大体1SPが2円にあたるので、400円以内で市内なら何所でも行ける計算だ。
ラーマ・マフマッドは将来有望な医者の卵だ。今はダマスカス医科大学に在籍している。ラーマのお姉さんはシステムエンジニアになるべく、学校で日々忙しく過ごしている。二人とも才女でしかも美人姉妹ときて...
Sunday, 10 October 2010
1.ダマスカス、ダハディール地区にて。
シリアのビデオを作りました。是非見てください!
音楽家たちのビデオも作りました。こちらも是非視聴してください!
10月、僕はダマスカスの南のはずれにあるダハディール地区のとあるモスクの前に立っていた。それはそんなに大きくはなく、古くくすんだ白い色をしている青空によく映えるモスクだった。礼拝の時間らしくモスクには白い長着を来た人が沢山集まっている。おごそかな礼拝の時間がゆったりと流れている。モスクの前には一台のフルーツ売りの屋台があり、売り子のお兄さんがしばらく暇そうにしていたが、こちらが気になるのかちらちらと僕の方を伺っている。そして僕はお兄さんと目が合った。気まずいのでにっこり笑う。再び時間だけが流れる。またお兄さんと目が合う。お兄さんが何か話しかけてきた。
「هل...
