レーのマーケットを歩きながらジミー家の事を少し考えた。ジミーの奥さんのクルスンとその妹のラジーはカルギルからやって来た。カルギルとはムスリムが95パーセント、ブッディストが5パーセントほど住んでいて、パキスタンの実行支配地域から非常に近い街だ。1990年代には戦闘にも巻き込まれた街なのだ。彼女たちは、その紛争を経験している。感慨深かった。
マーケットを抜けてジミーの家に向かうとその近くでよく見かける女性の3人組にあった。いつも...
Wednesday, 30 September 2009
Tuesday, 29 September 2009
29.サブー村の電話
サブー村に入る。一時期ラダックの首都だった事が信じられないほど静かだ。本当に静かだった。村内を歩き回る。ジミーに迎えにきてもらうために電話を借りなければならない。電話ボックスはもちろんない。人影もあまりない。電話を借りるためにラダッキ・ハウスを一件づつ訪ねる。
やっと5件目でおじさんが出て来てくれた。レーから山越えをして来た事を話、友人に連絡を取りたいむねを伝える。おじさんは快く電話を貸してくれた。ジミーに連絡をとると、すぐに...
Monday, 28 September 2009
28.ラジーの憂鬱
朝、目を覚ます。ジミーは朝の仕事に出かけていた。ジミーはジェット・エアウェイの従業員でもある。基本は自由人だが、いろんな仕事を持っているし、いろんな仕事をする能力がある。特殊技能の免許の数は20を下らない。で、今日は空港に行っている。ジミーの奥さんのクルスンは、子供を学校まで送りに行っている。
今朝はクルスンの妹のラジーがいる。ラジーに朝食を作ってもらった。ラダッキパンのタギ・カンビルをちょっと焼いてもらい、アプリコットジャム...
Sunday, 27 September 2009
27.老人はコインを抱く
ガングラス村を後にして、シャンティ・ストゥーパに向かう。
若き日の中村行明上人がラダックの人々と協力しながら建てたお寺だ。1985年建築なのでまだ新しい。車でシャンスパ村に入っていくと手作りの小さな看板が村の入り口にかかっており、そこには”シャンティ・ストゥーパ”とつたないカタカナで書かれていた。見上げると高台の上にそれは建っていた。
高台に登り、シャンティ・ストゥーパの入り口に車を止めて入っていく。そこから見えるレーの眺...
Saturday, 26 September 2009
26.ガングラス村と牧羊犬
レーに戻る途中、ガングラス村に寄る。
ガングラス村はビーコン・ハイウェイから外れたところにあり、静かな村だ。村の道はのんびり感があふれており、道両側の石の垣根に洗濯物が干されているのを見ると、なんだかほっこりしてくる。
この村にはジミーの親戚が住んでいる。親戚の家の前に立つ。トラディショナルなラダッキハウス。すごく古い。親戚のおばさんに家の庭に通される。庭に石で作られたかなり広い小屋があり、中はたくさんの区画に分かれている...
Friday, 25 September 2009
25.ヌブラとヌードルの真実
カルドン・ラの頂上に立っている。かなり寒く、風が強い。たくさんのタルチョが時おり吹く突風と共に「ゴッ」「ゴッ」と野太い声ではもっている。
ジミーが「頭が痛い」といっている。高山病の症状が出始めている。さすがの高地で生活しているラダッキも標高5602メートルは堪えるみたいだ。僕はなんともない。
ルーフにたくさんの自転車を乗せたバスが次々と入ってくる。アングロサクソン系の観光客がバスから降りて自転車をおろし、カルドン・ラからレ...
Thursday, 24 September 2009
24.小銃とサムライ
レーの街の中心に小高い岩山がありそこにちいさなゴンパがある。観光客が立ち寄るようなゴンパではない。この岩山に登るとレーの街が360度見渡せる素晴らしい場所なのだ。朝、その名前もしらないゴンパがある小さな小さな岩山に登る。レーの街の西側には緑が広がっている。レーの街にいると緑があまり感じられなかったが。ここに登って見渡すとレーは緑で囲まれているのが分かる。素晴らしかった。
ジミーが言う。「今日はカルドン・ラに行こう。」
カル...
Wednesday, 23 September 2009
23.大合唱とCDショップの夜は更けて
マナリ・ハイウェイを疾走している。シェイ・ゴンパが見えてきた。もうあたりは暗くなり始めている。シェイ・ゴンパの近くに池が広がっている。池の向こうのラダックの山々だけが夕日を反射している。本日最後の夕日の中のぎりぎりの景色になりそうだ。まわりは静かだった。フランス人の運転する自転車がレーへの帰りを急いでいた。
レーまであと少しだ。ダライラマ・ホームを過ぎたあたりで右側の側道から一台のトラックが曲がってきてバイクの前についた。トラ...
Tuesday, 22 September 2009
22.夕暮れの中の疾走。
マナリ・ハイウェイをレーに向けて疾走している。
日が沈む前にできるだけレーに近づきたかった。アメリカ人観光客を乗せたバスの横を追い抜く。とんでもないスピードだ。転んだらジ・エンドだ。でもレーサーの経験もあるジミーの運転は安定していて安心できる。僕が地上を走る乗り物で早いものを聞かれたら迷わず新幹線とジミーが運転するバイクと答えるだろう。
途中でスタクナ・ゴンパがよく見えるところで小休止。夕日をあびてインダス川に浮かび上がる...
Monday, 21 September 2009
21.夕暮れヘミスとお坊さんの叡智
カル村を通りすぎ、ヘミス・ゴンパに向かう。日もだいぶ傾き始め、夕暮れの様相をかもし出してきた。夕日に照らされた岩肌がオレンジ色に光りだしている。
木々の間からヘミスが見えてきた。夕日に照らされて岩肌にへばりつくそれは、すばらしく美しく、壮言でいて、繊細だった。
夕暮れの中、ヘミス・ゴンパの前に静かにバイクを止める。観光客はまばらだ。額に浮いたあぶら汗を吹きながら、なにやらジミーがバイクを触っている。空は晴れているのに、ジミ...
